インド聖典 人生の秘訣シリーズ 全16話
インド聖典の権威スワミ・パラマールタナンダによる「ヴェーダーンタへの道」を翻訳・編集した全16話のシリーズ。
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ヴェーダーンタへの道 全16話 第5話 カルマ・ヨーガ/行いのヨーガ

【第5話 カルマ・ヨーガ/行いのヨーガ】3.神に捧げ、神から受け取る“心構え”

3.神に捧げ、神から受け取る“心構え”

「3つのタイプの行い」の一番目は、最大限にポジティブな霊的影響の行い、ウッタマ・カルマーニでした。二番目以降はどうでしょう?

マッデャマ・カルマーニ/ゼロに近い霊的影響の行い

二番目のカルマ/行いは、「マッデャマ・カルマーニ/霊的貢献の殆どない中間のカルマ」です。サカーマ・カルマーニ、またはラージャサ・カルマーニ、またはパラ・ウダーサナ・カルマーニとも呼ばれています。

パラ・ウダーサナ・カルマーニとは、他者を無視する行いという意味です。他者に対して全く無関心で、他者の問題はおろか、存在さえも気にしません。人の問題については、それはその人の運命だ、と言って気にしないのです。自分自身と、自分の家族、妻や子供たちだけ気にかけます。

彼らは物質的にメリットがある時だけ、あなたを助けます。ですが、彼らは霊的な成長に対しては殆ど貢献しません。まったくしないか、したとしても限られています。儀式的であろうがなかろうが、これら全てはカーンミャ・カルマ/自分勝手な活動です。

彼らはテンプルに行った時でさえ、「自分の息子が幸せであるように」、とだけしか祈りません。これをやらないようにとは言いませんが、自分の家族に対してだけ祈るのは、やめた方がいいですね。

アダマ・カルマーニ/ネガティブな霊的影響のある行い

そして三番目に来るのが、「アダマ・カルマーニ」ターマサ・カルマーニニシッダ・カルマーニです。禁止されている、堕落した破壊的な行為、パラ・アパカーラ・カルマーニ自分だけが益を受けて、他人を傷つける行為です。そしてこれらのカルマは、霊的に良くないどころか、霊的に悪化させてしまうのです。

このように、一番目のウッタマ・カルマーニは霊的な上昇に導き、二番目のマッデャマ・カルマーニは霊的な停滞、そして三番目のアダマ・カルマーニは霊的な後退・脱落に導くのです。

これらが聖典によって示された、3つのタイプのカルマです。

カルマ・ヨーギーがすべき挑戦

そして聖典は、カルマ・ヨーギーがするべき挑戦は、「カルマ/行いの“割合”を変えてゆくこと」だと指摘します。

ウッタマ・カルマーニが、生活の中で最も優勢であるべきです。そしてマッデャマ・カルマーニは、より少なく、利己的な行動には限りを設けるべきです。私たちには食物や衣服や住居が必要だし、家族もお金を必要としているので、利己的な行動は避けられません。しかし、その割合はどうでしょう?それが問われているのです。
そしてアダマ・カルマーニは、できる限りゼロにするよう心がけねばなりません。

そして聖典は、避けられない状況によって生じた、避けられないアダマ・カルマについても指摘しています。それをスーナ(soona)と呼びます。スーナとは、避けられないパラ・アパカーラ・カルマーニのことです。例えば、殺虫剤のスプレーを使う時とかです。あなたはハッピーかもしれませんが、ゴキブリはそうではありませんね。ですので、避けられないパラ・アパカーラ・カルマーニはあるものです。

しかし、それらはウッタマ・カルマーニによって「中和」することが可能です。ウッタマ・カルマは、2つの方法で役に立ちます。一つは、あなたの霊的成長に貢献します。そしてもう一つは、避けられないスーナから生じたパーパ(不徳の負債)を“中和”します。

それでは、カルマ・ヨーギーの目的とは何でしょう?行いの“割合“を変えることです。これが、正しいカルマ/行いです。

ヨーガ/“正しい心構え”とは

では、カルマ・ヨーガの「ヨーガ」の意味、「正しい心構え・姿勢(attitude)」を見ていきます。“正しい心構え”とは何でしょう?正しい心構えは、“正しい理解”から来ます。健康的な心構えは、原理・原則が分からない限り、培うことはできません。

では、その原理・原則とは何でしょう?

あなたが何かの“カルマ/行い”をする時、行いをしたその“瞬間”には、それは自分の手を離れ“宇宙の一部“となります。そして一度、その行いが宇宙の一部になると、「宇宙の法則(universal low)」がそのカルマに働きます。なぜなら、全ての創造物は、「宇宙の法則」に従って動いているからです。

例えば、ここにあるクリップを私が手から離した瞬間、引力の法則が直ちに働き、このクリップは下に落ちます。壊れるかもしれません。
同様に、私たちが行動を起こすその瞬間に“宇宙の法則”が働き、カルマを「処理」します。そして”処理されたカルマ”を、「パラン/行いの結果」と呼びます。

このように、全てのカルマは宇宙の法則によって“処理”され、“パラン/結果”になり、そして自分に“返って“来ます。必ずそれは返って来るのです。それが法則なのです。

そして聖典は、「宇宙の法則」は、“創造物の調和”を保つための、「神の手の道具」である、と指摘します。

ですので、“法則”があなたのカルマを処理するということは、“神自身“が、”神の宇宙の法則という道具“を使って、あなたのカルマ/行いを処理する、ということになります。神が宇宙の法則の道具を通して、あなたのカルマを処理するのです。

なので、自分のカルマは、“処理”されるために神の元に行く、ということを知らなくてはなりません。そして、“処理された形“で神から返ってくるものを、”パラン/行いの結果“と呼ぶのです。

この事実を心に留め思い出す時、あなたの全ての行いは、「イーシュワラ・アルパナ/神への捧げもの」(※イーシュワラとは聖典で呼ばれる神の名前)となるのです。

正しい知識を身に着けたカルマ・ヨーギーにとって、全ての行いは“神に捧げる行為”となります。これを、「イーシュワラ・アルパナ・バーヴァナ/神に捧げる心構え」と呼びます。このことについて、常に気付いている、常に目覚めている状態のことです。

そして、神に捧げる心構えを持って行いをし、“パラン/結果”のかたちで処理されたカルマを「受け取る」時、それを「カルマ・パラン/行いの結果」とは呼びません。

それは、「イーシュラワ・プラサーダ/神からの贈り物」(※プラサーダとは神にお供えした後に返ってくるもの)と呼びます。なぜなら、神からやって来るものは、全てが”プラサーダ/贈り物“だからです。

ですので、それは神聖です。それを拒否したり、非難したりはできません。まずいなどと文句を言わずに、プラサーダはありがたく受け取らなくてはいけないものなのです。
この心構えを、「イーシュワラ・プラサーダ・バーヴァナ/神からの贈り物という心構え」と言います。

ですので、 行いをする時は、「神に捧げる心構え」を持ち、そして結果を受け取る時には、「神からの贈り物という心構え」を持つこと。これを「ヨーガ」と呼びます。

そしてこの二つの心構えを持つ時、落ち着いた心の状態を楽しめるのです。
サマットワン ヨーガハ ウッチャテー

なぜそうと言えるのでしょう?なぜなら私は、全ての行いに対して熱心であるからです。そこには、うっとうしいとか、つまらない仕事だとか、退屈だとか、そういった気持ちはありません。なぜなら、全ての行いは神に捧げるものだからです。どんな行いも嫌うことはありません。全ての行いを愛します。なぜなら、それは神に捧げる行いだからです。

そして人生で起こる全ての経験を受け入れます。なぜならそれは、サマットワン/心の平安に導く、イーシュワラ・プラサーダ/神からの贈り物だからです。心の平安は、“神からの贈り物”という心構えの結果なのです。

霊的成長の“成果” - チッタ・シュッディ/心の浄化

そしてこの“神へ捧げる心構え“と、“神からの贈り物という心構え“の二つを合わせて行うと、もの凄く早く霊的に成長できます。そしてこのことを、「チッタ・シュッディ/心の純化・浄化」と呼びます。

「チッタ・シュッディ/心の浄化」については、後々詳しく見ていきますが、最もシンプルな言い方をすれば、こうなります。

人生における「全ての問題」は、世界のせいではなく、「私の無知」により、「間違った方法」で世界を扱ってきたせいだ。

私が無知だったせいで、私は世界と間違った方法で付き合ってきた。だから私は今まで苦しんできたのだ。もし私が「賢い私」になれば、この世界と正しく付き合って行く方法が分かるだろう。

だから“無知な私”が問題なのであって、“賢い私”が解決法なのだ。

この“分析”ができるようになることが、カルマ・ヨーガ、そしてチッタ・シュッディ/心の浄化“成果“なのです。

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