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【第4話 アーシュラマ/人生の4つのステージ】
- 人生すべては霊的な自由をめざした旅
- 人格を改良する「教育、学び」のステージ
- 「家庭を持つ→隠居→放棄(出家)」のステージ

1.人生すべては霊的な自由をめざした旅
聖典によって供給されている「インフラ」には、4つの人生の目的を達成するための、二つの構成要素があります。
一つ目は、前回の第3話で学んだ「社会の分割・組織体系/ヴァルナ制」、
二つ目は、今回学ぶ「人生ステージの分割・組織体系/アーシュラマ制」です。
「社会の分割」は、社会の幸せ・成長・繁栄のためになされた、マクロ/全体のための分割です。一方「人生ステージの分割」は、個人の幸せ・成長・成功のためになされた、ミクロ/個人のための分割です。
今回学ぶ「人生ステージの分割」の方が、社会の分割よりも私たちと関連性が深いため、さらに重要と言えるかもしれません。
この二つが合体して、「ヴァルナ・アーシュラマ・ヴャヴァスター(社会と人生ステージの分割/組織体系)」と呼ばれます。この二つこそ聖典が描く、物質と霊的なゴールの両方を達成するための、基盤となるインフラの構造なのです。
アーシュラマとは、一般的に「人生のステージ/段階」と訳されます。そしてヴェーダの教えに従う全ての人の人生は、4つのステージ/アーシュラマに分けられています。
1.ブラフマチャーリ・アーシュラマ・・・教育(学生)のステージ
2.グラハスタ・アーシュラマ・・・家庭を持つステージ
3.ヴァーナプラスタ・アーシュラマ・・・隠居のステージ
4.サンニャーシ・アーシュラマ・・・放棄(出家)した僧のステージ
これらは聖典の中で言われている、4つのアーシュラマ/人生のステージです。
アーシュラマという言葉の意味は何でしょうか?シュラマの意味は、自らよく考えた上での“努力”です。そしてここで言う”努力”の意味は、“スピリチュアル・サーダナ/霊的な修練・修行”のことです。ですので、アーシュラマとは、「人が霊的な修行に専念するための人生ステージ」ということになります。
聖典によると、人生が4つのステージに分けられているのは、人生すべてが“スピリチュアルな旅、霊的な旅”であるからだと言います。アーシュラマとは人生の後半部分の、退職後のエクササイズのことではありません。人生すべてが、霊的修練のシリーズ/続き物だということなのです。
ただ一つ違うことと言えば、それぞれのステージで、霊的修練の種類が異なるだけです。だから、最も重要な究極の人間の目的とは、霊的な目的だと、聖典は言っているのです。
一時的にダルマ・アルタ・カーマ(物質的欲求)を人生の目的とすることを、聖典は容認しています。しかし深層では、聖典はそれら物質的欲求を“真の人生の目的”とすることを、全く認めてはいません。
ダルマ・アルタ・カーマ(物質的欲求)は、外見上は真の人生の目的に見えますが、それは、その人が霊的に未熟な場合に限ります。聖典は、霊的に未熟な人の考え方を容認するために、それら3つの目的にも言及しています。しかし実際のところは、真の人生の目的は、霊的な目的の一つしかないのです。
それゆえ聖典は、あらゆる人生様式においてたくさんの霊的な修練を準備しています。それは、「モークシャ」と呼ばれる霊的なゴールを知り、達成するための修練です。
その人が霊的に成長するまで、人は霊的修練をそれとは知らずに行います。ヴェーダは修練をまるで砂糖でコーティングされた薬のように与えます。子供はその薬をお菓子だと思って食べてしまいます。しかし中身は、実は隠された薬なのです。
それと同様に聖典は、表面的にはダルマ・アルタ・カーマ(物質的欲求)のために見えるものも、霊的なエクササイズとして与えます。しかしそこには隠された意図があります。それらは隠された方法で知らないうちに、まるで政府の隠された課題のように、聖典にも隠された課題があるのです。
では表面的な課題とは何でしょう?ダルマ・アルタ・カーマ(物質的欲求)のための修練です。隠された課題とは何でしょう?「モークシャ(悟り、目醒め)」のための修練です。
人生の4つのステージ全てにおいて、霊的なゴールのために霊的なエクササイズが与えられます。
霊的なゴールとは何でしょう?これは、内なる自由のための闘いに他なりません。私たちは経済的な自由や、政治的な自由などについて語ります。しかし人生は、モークシャと呼ばれる“霊的な自由のための闘い”なのです。
そしてこれら4つのステージは、大変興味深いと言えます。なぜなら昆虫、“蝶”などが経験するステージに非常に近いからです。昆虫学者もその研究から言っているように、蝶も4つのステージを通過します。
最初は卵のステージ、そして卵からふ化して、いもむし・毛虫になり、葉っぱを大量にむしゃむしゃ食べます。そして忙しく活動した後は、さなぎのステージへ移り変わり、再び活動から退きます。卵のステージでは何の活動もありませんでした。そしてさなぎのステージでも何の活動もありません。
そしてさなぎの時期を終えると、いよいよ自由に飛び回れる美しい蝶の姿になって出てきます。明るく自由です。自由を楽しんでいます。それだけではありません。蝶(成虫)のステージだけが、最も魅力的だとはいえませんか?卵は何の見ごたえもありません。さなぎは殻で覆われていて何も見えません。毛虫は見えますが気持ち悪いだけです。
しかし成虫、蝶になると、カラフルで美しく、みんなにその魅力を振りまきます。そして蝶自身もその自由を楽しみます。ジーヴァン・ムクティ(今生モークシャに到達した人)も、蝶のようです。人を惹きつけ、輝く人生を謳歌します。
では、4つのアーシュラマ(人生のステージ)とは何か、それぞれ見ていきましょう。
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